
日本のアイドル歌謡史はその多様化とともに様々な価値観を生み出した。中でもグループアイドルといえば昭和は超プロフェッショナルなキャンディーズの70年代から、逆に放課後のクラブ活動という素人感を売りにしたおニャン子の80年代を経て、ジャンルとしてのアイドルが細分化していった平成のSPEED、モーニング娘、AKBまで形こそ違えど、いつの時代もどのグループも面白かった。メンバーの数だけ個性があって、「でも、俺はミキちゃん」とか「いや新田よりも永田だろうよ」とか自分だけのお気に入りを見つけてはそれを愛でる。そんなアイドルグループの基本プロットが面白くならないわけないし、多少のバトルやアンチのバッシングなどあったとしても現在のサバ番Kポップグルのような同じグループ内で他メン叩きといった殺伐とした空気を感じるほどではなかったように思う。
そういう意味では昭和世代を知る者からしてもちょっと懐かしさも感じられ、大丈夫かな?といういうくらい平和な、しかも時代の波に乗ってきたそんな最も今 “推し甲斐” があるかなと思われるグループはやっぱりtripleSになるのではないだろうか。24人完全体というKポップとしてはかなり異例な人数の凄さもさることながら『Girls Never Die』のロングヒットもあり、今のKポの特徴でもある考察・検証といったKポップ批評的な世界観やストーリーも内包する集合体へと成長。現地ネットニュースの特集に組まれるなど勢いも感じさせてくれます。ここ日本でも『Girls Never Die』の歌詞が持つメッセージ性を拡大解釈するようなこんな感じのブログ記事も増えました。
そんな中でこちらのヨチンMVとの共通点を発見されているこちらの記事は、大変Kポップへの造詣が深く興味深く読ませてもらいました。
面白いですね。あのtripleSが、例えばQWERやKISS OF LIFEといった今「何か語りたくなる」グループ達の仲間入りをした感すらあります。やはり良い作品を発表するというエンターテインメントの基本こそがヒットを生んだ時の影響力、インパクトに大きな差を与えるわけですね。
実はこのグループが出来るという話があった当初、大多数の人が思うように「いくら大人数グループだと言ってもさすがに多すぎだろ」という偏見を持っていました。ファン参加型だというコンセプトもまるで日本の地下アイドルみたいに感じられて萎えたし、LOONAのゴタゴタも見てきた者としては「また何か同じような頭でっかちな事やり始めたよ」とピョンギへの懐疑心もあったかもしれません。もちろん彼のLOONAというプロジェクトに賭けたその情熱は本物だったと信じていましたが。
前回の『Girls Never Die』1位記念のtripleS記事(ソヨンとユヨン)で24人完全体のここぞというタイミングでこの神曲を準備していて偉いとその運営っぷりを褒めましたが、ピョンギにしてみたら何もかも必然のことだったのでしょう。無限カムバックすら可能な24人という人数も、大企業によるスタートアップ資金調達やブロックチェーンベースの投票システムも、全てが彼の描いた理想のアイドルグループの具現化を構成する大事な要素であり、何ならメンバー選考ですら何か特別な意味があるのではと思わせる(S1とS24ジヨンの本名がソヨン等)1つ1つの仕掛けや企画力を見るにつけて、やはり天才だったのだなと一定の成果を出してしまった今、さすがに認めざるを得ないと思いました。
さらに驚かされたのが、今年2024年の4月に発表されたS21~24までのメンバー。
S1ソヨンが2022年5月に公開されて以来、S16のマユまでおよそ1年弱かけて個性的なメンバーを揃え、もうコレ以上のメンバーは必要ないのでは?という声もあったであろう2023の昨年末、日本人メンバー・リンをはじめS17~20の自然発生DIMENSION(=グループ内ユニット)「NXT」メンバーが発表され、さあ残すは後4人。少しでもKポップに関心のある人なら「加入公開の予告動画から元IZ*ONE本田のひーちゃんではないか?と勝手に騒がれたけど、結局違っていた」という迷惑千万なニュースを見たこともあるでしょう、その時のメンバーですね。
2024年4月1日から1日おきに公開されたメンバーは、S21が「UNIVERSE TICKET」参加のヌンチャクを操る武闘派少女キム・チェウォン、S22がタイプリンセス・ソルリン、S23はS2と同じ名前を持つ最年少メンバーのチョン・ヘリン、最後のS24が前出の通り名前がS1のユン・ソヨンとよく似たバレエ少女のチ・ソヨン。
tripleSが「Gravity」としてタイトル曲選考やDIMENSIONユニットメンバー選定など独自スマホアプリ「COSMO」の投票で決定される事は知られてきたかと思います。S2とS23のヘリン、S1とS24とソヨンの混同を避けるために、いくつかの候補の中から活動名を決める「イベントGravity "STAGE NAME"」と題した投票もCOSMOで行われています。期間こそ短いながらも、このあたりの柔軟なスタンスも独特で面白いです。それぞれ「本人希望」(チョン・ユリン/ジヨン)「親のアイデア」(チョン・スア/ヨンソ)「ピョンギ」(クレア・チョン/ドジュン)「作名所(姓名名付けの専門家)」(ソア/ユハ)で投票、結果はS23がソアでS24はジヨンとなりました。さすがは作名所の先生は綺麗でおしゃれなネーミングセンス。ジヨンのご両親のS1ソヨンに対して「あべこべにしてヨンソ」というアイデアも秀逸です。
とまあまあ話が長くなってしまいました。個人的にはチェウォンにやられちゃって仕方がないのですが、このS23ソアちゃんが恐ろしく可愛いという評判はKポップヨジャの雑食オタの耳にはすでに届いているかもしれません。
もう動画を見てもらえば1発ですが、若いです。期間限定のUNISソウォンやON1エンタやClever E&Mといった子役事務所のキッズドル以外のレギュラーグループとしては、Kポップ初の2010年生まれだそうです。最強です。たまらんのです。このソアちゃんを含んだS21~24の4人もやはり自然発生DIMENSION「Glow」として、6月21日にデジタルシングル『内的ダンス(Inner Dance)』をリリースしました。
この4人のアイドルスペックが高すぎる故に、S18ジュビンやS19ハヨンといった若干個性の目立ちづらいメンバーなどは完全に持っていかれてしまったとも言われるほどで、よくもこの4人を最後に揃えたきたものだなと改めて感心する次第です。惜しむらくはデビュー2ヶ月も満たない活動期間という事で舞台パフォーマンスの高画質チッケム動画がまだ皆無だというコト。よって公式YouTubeコンテンツ「SIGNAL」あたりから何とか動画を引っ張ってくること位しかできず非常に残念。逆に言えばこれから沢山Glowメンを楽しめると考えられるポジティブ新規WAVに朗報。7月19日の東京トークイベントの参加メンバーの中にソアちゃんも選ばれています。なんでトークやねんという意見が多いようですが、まぁ来月以降の日本活動は発表済みの「お台場冒険王」関連イベントをはじめ生ソアを拝める機会がさらにあるであろう事を期待させてくれます。いやーそれまでtripleSに否定的だったけども、ソアちゃんが加入しただけで好きになっちゃてる日本オタク層も絶対にいるだろうな。もしもこのブログで神の子ソアちゃん初めて知ったよというロリコンがいらしたら、ソアもいいけどまずはtripleSというグループの魅力を理解してほしいので、まずはKポップアイドルリアルバラエティーの名作と名高い1theKの「Strong Girl : バッジ戦争」全4話を是非とも観てほしい。
このシーズン1はまだS1~16までの16人しか参加していなかったけれど、最近完結したばかりのシーズン2「バッジ戦争完全版 : Girls Never Die」にはもちろんGlowの新メンも大活躍している。この「バッジ戦争」を見ずにtripleSを語ることなかれ。かくいう自分もコレ見てからチェウォンにハマっちゃった口なのですけどね。



