OP QWER

QWERヒナちゃんのギターパイスラ☆ふわふわ時間

※本ページはプロモーションが含まれています

9月も下旬になりましてようやく秋らしい季節になってきましたね。そんな中10月のカムバラッシュがえらい事になっているようですが、9月だってなかなかに個人的注目ヨジャ達のカムバック・HOTデビュー・再デビューが盛りだくさんでした。ルセラ、ルセンブル、MADEIN、MEOVV、FIFTY-FIFTYとまあこのあたりをちょっとすっ飛ばさせてもらいまして、今回とり上げるのは今週23日ミニ2集「Algorithm’s Blossom」でカムバのQWERです。
QWERというと前作の1集ミニ「MANITO」からのタイトル曲『T.B.H(悩み中毒)』がmelonをはじめとする音源チャートで凄まじい結果をはじき出し、もう間もなく発売半年が経過しようという現在でもmelonトップ20以内をキープしているほどの人気。
これには驚かされましたねぇ。このグループ自体は比較的立ち上げ当初からYouTubeコンテンツ出来が良かったこともあり、メンバーの出自や日本のサブカルチャーとの関連性も含め企画全体で面白がって大注目していたのですが。

正直これほどの熱い支持を韓国国内で受けるとは想像もつきませんでした。もちろん『悩み中毒』が口ずさみやすくてポップでいい曲なのは分かるのですが、バンドサウンドに馴染みすぎている日本人の私の感覚としてはアニソンのデフォというかあまりポジティブな意見ではない嘲笑混じりで言う際の安っぽい「アニソン」の音過ぎてちょっと。「けいおん!」や「ぼっち・ざ・ろっく!」等の四コママンガ的少女のちょいゆる成長バンドストーリーという設定ありきならばこの音も正解なのでしょうけど。
おそらくはワークドルでNMIXXへウォンが人気なように若者のYouTubeコンテンツの浸透、ちょっと日本人にはリアルには受け止めづらい絶賛韓国で人気だというJポップに対する韓国人の理解度、DAY6の大逆走やtvNドラマ「ソンジェ背負って走れ」等バンドサウンド大流行といった複数の様々な要因が絡み合って生まれた大ヒットと考えられるわけですが、やはり結局のところ「いい曲が売れる」これに尽きるのではないでしょうか?必ずしもいい曲なら「絶対に」売れるとは限りません。いい曲をたくさん歌いながらも消えていったアイドル達も沢山知っていますし、「なんでコレ?」という曲でヒットしてしまう人もいるかもしれません。それでも自分の愛するKポップはメロディアスだろうとトンチキだろうと「いい曲」「面白い曲」が評価される世界であってほしいと思います。

今回のカムバ先行曲『Fake Idol(偽のアイドル)』が発表された際のMVで、メンバー全員が髪色を真っ赤にしたスタイリングを見た瞬間ドゥルの『Wife』を思い浮かべた人は多かったのではないでしょうか?「カッチャ アイドル」なんていう曲想自体がソヨン的な問題提起だなーなんて思っていたら、最後の最後に本人が登場してメインタイトル曲の『My Name Is Malguem(私の名前は晴れ)』のスポをしちゃってるもんだから2度ビックリ。これは非常に良いコラボですね。ソヨンは曲提供だけでなく、メイクやスタイリングさらには演技指導といった細かなMVディレクション等楽曲全体のプロデューシングをしたといいます。この人のこういうフットワークの軽さには本当に尊敬します。彼女にプロデュースをお願いするという案は、(G)I-DLEも担当するプリズムフィルターだから可能だったアイデアとは思いますが、ソヨン本人も根っからのアニメ好きで知られているだけにおそらくはQWERというグループをそれなりに面白がってくれていたんじゃないかなという気もしました。

そしてその '伝説のプロデューサー' ことチョン・ソヨン様が手掛けた『My Name Is Malguem』は音も楽曲も今までのイメージを崩さずにあくまでも前作を踏襲した作風でしたが、出だしのシヨンのボーカルが少しエモーショナルで心なしかドゥル感出ちゃってました。完全にソヨンワークの成果です。音はポップで明るいのに感傷的で切ないメロディーはまさに外見は強く見えるけれど、内面はとっても複雑でもろい二面性を歌っていてグッときます。個人的にはKポップメインストリームからは絶えたとされているヨチンやロブリズ等の清純清涼系アイドルソングがQWERや前出のDAY6のバンドサウンドに乗ってメロディー復古しているような感覚もあって、それもまた胸熱。
演技指導までしたというMVもまた良かったですね。リードギター兼キーボード兼QWERメンダンサー(?)最年少のヒナちゃんがヒロイン的に青春映画さながらのプロモーションビデオのようなそれでいて、ちょっとした謎やいろいろな解釈が可能な映像となっています。ただそういう内容の解釈は他におまかせして我々はヒナちゃんの素朴な可愛さにただただ浸らせてもらいましょう。

アルバムはミニとはいえ計8曲というボリュームで「私達という名の種を広げるその日まで」というQWER宣言であるイントロ・アウトロを配することで、ちょっとしたコンセプトアルバムとなっています。
多くの人に音が届くという事はアンチの類の人間も増えるわけで、彼女達もいろんな議論に巻き込まれました。昔の日本でもよくありました。楽器を弾けなければ、自作じゃなければバンドじゃない。アイドル歌手がボーカルなんてロックバンドとは認めない。何だかゴールデンボンバーを始め今となっては形なんてどうでもいいくらいというか、むしろラムーが再評価されるレベルにまでなりました。時代ですねぇ。
世界的に見ても例えばモンキーズの高い音楽性を否定する論文でもあったら相当やばいと思うのですが、こういう重箱の隅をつつくようなイチャモンはいかにも韓国人らしい。
『Fake Idol』リリースに合わせて出演したチャン・ソンギュ氏のYouTube番組ではこのあたりの問いに正直に回答しているので、是非とも観てもらいたい。
終盤でメンバーの目標として「melon一位」「ドラマーとして見られたい」「アイドルとしてもバンドとしても見られない人達に認められたい」と各自語る中、「メンバー達がこれ以上何かを証明しなくては…というプレッシャーを感じずに前向きな気持ちだけを持つことが私の目標です」という最年長だけど音楽初心者のマゼンタ姐さんの泣けるコメントがとっても素敵です。それ以外にも音楽番組出演をしない理由やデビュー費用・初清算といった気になるエピソードもあります。【QWERの初給料はいくら? | 朝ご飯食べて2 EP.22
バンドとしても、メンバー個々の成長も楽しみでしかありませんが、案外QWERというグループは上でちょっと触れた「けいおん!」のようにゆるゆる・グダグダなコンテンツでこそ神髄が発揮されているような気がします。
次の動画は約2ヶ月前にUPされた次(今回)のアルバム制作前の準備段階動画なのですが、各メンバーのレベルチェックなはずがなぜかカオスな音楽鑑賞会になってしましました。16分過ぎのヒナちゃんのギターパイスラは至宝です。

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